聖コロンバン会の創造についての契約

そして神は良しとされた。創世記第1章
創造を知ることは創造主を知ること。

聖コロンバン

罪と不正によって分裂した世界では、われわれは神の国の価値を生きるた
めに懸命に努力する。
われわれに要求されるのは以下の事柄である。
・地球生物の完全性に鑑みた、あらゆる姿かたちの命の尊重
・形あるものをキリスト教的視点で見つめ、社会の隅に追いやられている
者たちとの連帯を表明する、簡素簡潔な生活様式

聖コロンバン会規約および規則 C.108

神との交わりに自らを献げ、貧しい者たちおよび搾取された地球と連帯す
るわれわれは、ひとりひとりの個人的生活様式を変革する挑戦に向き合わ
される。聖コロンバン会として、われわれに託された資源を世界の生き物
のために活用するよう召し出されている。

「交わりに召し出されて」
目次

序論

われわれは時代のしるしを認める。それは、人間の態度が神の創造に対して何をし
ているか、地球が語ることを聴く切迫した必要があるということだ。われわれの伝
道活動の召出しは、環境保護のための召出しを含むと信じる。それは貧しい者たち
および自然界と連帯することで、われわれが選んでいる簡素な生活様式を絶えず見
直し、更新し、あらゆる地球生物との適切な関係へと導く選択をするようにわれわ
れを仕向ける。環境保護のための回心は、個人的にも共同体的にも生ずる進行中の
コミットメントであると認識している。

われわれはあらゆる生き物の存在する自然界での相互依存のあかしを祝福する。そ
のあかしは聖コロンバン会の共同体として、個人でも集団でもすでに具体化されて
いる。この契約に含まれる行動と熟考の提案は、着想を刺激することを意図してい
る。個人としても共同体としてもどのように地球生物全体への愛のあかしとなりう
るかについて、活動するそれぞれの文化的状況によって、各々独特な対応があるこ
とを認識している。
憂慮する人々が採用した行動可能性をいくつか以下に列挙し、個人としても共同体
としても、われわれがどのように地球生物全体への愛のあかしとなれるか、足場と
する助けになるかもしれない。

祈りと霊性

  • 聖コロンバンの精神のうちに、自然界と日常的に触れ合う時間をもち、神の最初の啓示としての地球生物の創造を驚きと畏れをもって喜ぶ。
  • 個人および共同体の地球生物との関係についての内省を、聖書やカトリック社会教説、環境神学者、他の信仰伝統の創造についての教えを通して、取り入れる。
  • 地球生物の尊重に焦点を置いた祈りなどの一般参加のあかしとなるイベントに参加する。
  • 地球生物の尊重をテーマとして取り入れた黙想に参加する。
  • 環境保護が正義であることを説教や典礼のテーマに組み入れる

構成と継続中の教育

  • 地球生物の完全性についての現在の科学と神学を読み研究する時間をとる。
  • 切迫する環境の懸案事項についてグループ・ディスカッションを立ち上げる、または参加する。
  • 地球生物の完全性について情報知識を与える講演、ワークショップ、セミナーに参加する。
  • 他の文化、特に土着の文化や霊性と地球生物に関し、その教えや慣習から学ぶ。

購買活動:拒否、減少、再使用、リサイクル

  • 浄水器・フィルター、再利用可能な飲料容器を使い、ボトル入りの水を購入や使用をしない。
  • 再使用可能なコーヒーフィルターを使う。一杯用コーヒーメーカーの使用を避ける。
  • 紙ナプキンやペーパータオルの代わりに布地のものを使う。
  • 可能な時は大口の購入をする。
  • 再使用・リサイクル可能なパッケージ包装をしている製品を選ぶ。
  • 可能なところではプラスチックの使用を拒否する。
  • 可能な時はいつもプリンターインク・カートリッジのインクを補充する。
  • 物品を新しい購入品と取替える前に修理修繕をする。
  • 購入する製品は、社会的・経済的・環境的に持続可能な方法で製造・流通されているものにする。
  • 可能な時は物品や道具を賃借する、またはシェアするか借用する。

食料と水

  • エネルギー効率の高い電化製品を使用する。
  • 食器は手で洗うようにする。食洗機の使用は庫内いっぱいに洗う食器類がある時にする。
  • 地元で栽培された食物を(地元の食料品店で、または地域の農家、地域共同体の支える農場から)できるだけ購入することで、環境への負荷となる運送“コスト”を減少させる。
  • 可能なら所有する土地で果物や野菜を栽培する。
  • できるだけ多くの物品を大口購入することで、包装を少なくさせ、店舗への往復回数を減らす。
  • 季節に合った、地元の果物や野菜を購入する。
  • 台所の生ゴミを堆肥にする。
  • 外食は限定し、家庭で作る食事を取るようにする。
  • 畜産のもつ環境への影響を考えて食肉摂取量を制限する。畜産が影響を及ぼすのは、世界の穀物食料供給と、家畜が工場式農場で飼育される生態系システムに対してである。
  • 可能なら常に有機食品を選ぶ。
  • 食料品店(や他の店舗)では再使用可能な袋を使う。
  • 水を節約、保全する。不必要に蛇口を開けたままにしない。
  • 食肉消費を制限する。[畜産に要する]実質的な大量の水の価額のためである。

移動

  • 日常の移動
  • 可能なら常に徒歩にするか自転車を利用する。
  • 公共輸送機関、相乗り自動車を利用する。
  • 自動車による移動を限定する。
  • 燃費の良い自動車を使用する。
  • 移動を伴う用事は整理してまとめる。
  • 飛行機利用
  • 国内移動の飛行機利用を限定する。
  • 海外旅行を限定する。
  • 長距離飛行の際は乗り継ぎ回数を抑える。乗り継ぎ回数が増えると二酸化
    炭素排出が増大するため。
  • 海外旅行が必要な時は、カーボンオフセットを購入する。
    (1)[カーボンオフセット CO2排出量に見合う金額を、CO2削減対策費用
    として社会貢献することで、排出量を相殺(オフセット)する環境保護の
    取組み]

科学技術

  • 不動産物件の改修・購入を考慮する際はとりわけ、太陽光、風力、波力、地熱など環境に配慮した建築技術を組入れ、それに投資する。
  • 飛行機移動を制限するために、可能ならば通信や会議のための技術を利用する。
  • 定期刊行物、雑誌、新聞などのインターネットや電子購読を選択する。
  • プリンター使用を制限する。可能ならシート両面に印刷する。

生活・オフィス空間

  • 生活・仕事空間はエネルギー消費を最小限にし、使用日数を最大にできる
  • ようなものを選択し、そのように設計する。
  • 冷暖房使用を限定する。冬季は集中暖房設定温度を20℃以下に保つ。
  • 集中空調設備の使用を限定する。必要ならば設定温度を25.5℃以上に保つ。
  • 光センサーを設置し、電灯、コンピューターその他使っていない電子機器のスイッチをオフにするかコンセントを抜く。
  • 熱効率が良くなる窓やドアを設置する。
  • 節水シャワー・ヘッドをすべての浴室に設置する。
  • コンパクト蛍光灯をあらゆる場所で設置する。
  • 太陽光によるか熱効率の高い温水器を設置する。
  • 壁や天井に断熱材を適切に整備する。
  • 簡単な清掃用品(酢、ベーキングソーダ、食器洗剤など)や、環境に負荷をかけない製品を使用する。
  • 洗濯機は洗う衣服で満杯の時だけ動かし、冷水を使う。
  • 可能ならいつも[乾燥機ではなく]空気と風で洗濯物を乾かす。

個人的な時間

  • 電気や移動をほとんど、または全く必要としない活動を選択する。
  • 聖コロンバン会にとって特別に重要な、気候変動や環境における正義の諸問題について、行動や政策変換を求めるグループや運動に参加する。そうした諸問題に含まれるのは(そして以下に限定されないが)、採取産業、水、遺伝子操作された有機物に特許問題、原子力エネルギーがある。

金融

  • 環境や社会に責任ある投資を選択し、化石燃料産業への投資を引き上げる。(2)

結論

ヨハネ福音書に書いてあるように、命を豊かに受けるため(ヨハネ 10 章 10 節)神はわれわれを招いている。神の意図したように命の豊かさに生きることは、あらゆる地球の生物に耳を傾け、そこから学び、尊重することを含んでいるとわれわれは信じる。完全なあかしはないことがわかっているが、『交わりに召し出されて』に記されるように、召出しをやり遂げるための道中で忠実な弟子であるようわれわれ自身を献げるのである。

イエスの教えを伝道する弟子として、われわれは対話を通して癒しと和解をもたらし、橋を架け、相互理解を生むために召し出されている。異文化尊重、異教徒間対話、さらに社会や世界から取り残された人々との連帯、搾取された地球との連帯に専心することは、われわれの神の使命への参加方法であり、われわれを三位一体の神との交わりへと前進させる。

われわれはすべての聖コロンバン会会員(司祭、信徒伝道者、学生、共働者、友人、支持者)を、われわれの伝道のあかしの一部としてこの行動と熟考の契約の遂行に専心するよう、招き促すものである。

総会による承認
2014年12月

[注]
1.2014年聖コロンバン会・カーボンオフセット指針を参照
2.MPP1006‐‐聖コロンバン会・社会的環境的責任投資指針を参照。

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